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Excelを開こうとすると、とても時間がかかる
2022年5月22日以降、Excelを開こうとした際に急に時間がかかるようになったことは無いですか?
私を含め、けっこうな方が同様の現象になっており、仕事の効率が下がっているという声を聞きます。
今回はその対応策になります。
端末の状況によっては、これから記載する内容で、解決しない可能性が有りますので、ご留意ください。
まずは現状把握から
Excelを開くのが遅い端末で下記の調査をして、原因の切り分けを行います。
調査結果が、矢印のような場合は今回の事象に当てはまると考えられます。
・実際にどの状況(画面)で時間がかかるのか
→Excelを開く時、「保護ビューで開いています」というメッセージが出てから開くまでが長い。
・同じ端末で同じExcelを何回開いても遅いのか
→別の時間帯で開きなおしても同様に遅い。
・どこに保管されているファイルを開く際に時間がかかるのか
→ファイルサーバ上、NAS上のファイルを開くときに時間がかかる。
・対象のExcelファイルをデスクトップに移動させてからファイルを開く場合、同様に時間がかかるのか
→デスクトップに移動させてからだとファイルはすぐに開く。
・Excelのファイルサイズはどのくらいか
→10KB~2MBまで、どのファイルサイズのものでも遅い。
何が起こっているのか
ネットワーク上(ファイルサーバやNAS)にあるExcelを開くときだけ時間がかかる、保護ビューで開いていますという表示で長く待たされることから、
保護ビューで開く設定に対してWindowsUpdateか、OfficeのUpdateか、何かしらの修正が入ったと思われます。
最近Emotetというマルウェア(ウイルス)が世界的にばらまかれており、それに対するMicrosoftの緊急対応かと思われます。
Emotetは2019年に流行り出したのですが、最近またEmotetを利用した攻撃が流行っているとのことです。
感染すると、感染した端末を装ったメールによって取引先等にウイルスがばらまかれるため、取引先にとても迷惑が掛かってしまいます。
↓参考
https://www.ipa.go.jp/security/announce/20191202.html
Emotetの一番有名な感染経路としては、Excelのマクロを利用して、クライアント端末内に侵入するといったものです。
日頃からマクロを業務で利用されている方は特にお気を付けください。
保護ビューというのは、インターネット上から取得したExcelファイル等が、本当に信頼できるものか分からない為に、
マクロ機能を停止させた状態でExcelを開くという機能になります。
で、今回は自社のファイルサーバにあるファイルなので、Emotetの仕込まれたファイルである可能性はかなり低い状態です。
Excelファイルを1つ開くだけでも、今までは4秒だったのが18秒かかるようになっており、業務効率が非常に落ちます。
Microsoftの次のアップデートで修正されて、ファイルを開く時間がかからなくなるかもしれないですが、それがいつになるのか分からない為、
クライアント端末側の設定でどうにかしちゃおうというのが本記事です。
解決策
何でもかんでも保護ビューで開かなくするのは非常に危険なため、
今回のように自社のファイルサーバに格納されているファイルを開くときは保護ビューで開かないという設定にします。
これは、サーバ側ではなく、クライアント端末(PC)側の設定になってしまうので一台一台の対応になってしまいますが…。
インターネットオプションを開く
「セキュリティ」タブをクリックする
「ローカル イントラネット」を選択し、「サイト」をクリックする
「詳細設定」をクリックする
上のテキストボックスに「\\XXX.XXX.XXX.XXX」と入力し、「追加」ボタンをクリックする
「\\XXX.XXX.XXX.XXX」はファイルサーバのIPアドレスですので、例えば\\10.1.1.100みたいな感じです。
「Webサイト」の欄に5で入力した内容が表示されているのを確認し、「閉じる」をクリックする
これで、自社のファイルサーバ内のExcelを開こうとする際に保護ビューで開かれずに、いつも通りストレスなくファイルが開けるはずです。
さいごに
もし、変なファイルを開いてしまった場合は、すぐにネットワークから切り離すことが重要です。
最近のサイバー攻撃はどんどん巧妙になっていますので、お気を付けくださいませ。